ファンクショナルトレーニングと障害予防

私たちが円滑に日常生活動作を行えるのは、脳と筋群が協調して、正しいタイミングで組み合わせながら反応しているからです。

 例えば、歩行では下肢(下半身)の筋群ばかりではなく、上肢(上半身)を含んだ体幹筋群が非常に正確なタイミングに従って活動する必要があり、その活動のタイミングがずれてしまったり、一部の筋肉が機能低下から上手く使われていないと、地面からの力の伝達は断ち切れ、その歩行は異常なものとなり、本来使われる筈のない筋肉が強制的に働かされる事で(シナジスト(協力筋)優位)、様々な機能的病変となり、障害を引き起こします。

 股関節での間違った運動パターンは仙腸関節や胸腰関節へのストレスを増大させ、臀部の深筋の梨状筋が機能亢進すると股関節前面の痛み(大腿骨すべり症など)と大腿後面、臀部、仙腸関節などに痛み(関連痛)が現れ、坐骨神経を圧迫する事で神経学的症状が現れるなど。

 ファンクショナルトレーニング(PNF含め)では、筋の協調性を重視した日常生活の動作に近い動き(対角線上の螺旋的運動パターン)で筋力を鍛え、その運動動作課題に対する集中力を高め、基本となる効率的な運動パターンの再学習から、動作そのもののパフォーマンスの向上を図ります。


 人間の動作で必要なものは、運動性(モビリティ)→安定性(スタビリティ)→調整された運動性→巧緻性(スキル)であり、これが破断すると、姿勢変位→機能異常/機能低下→構造的変形→機能障害→姿勢変位の悪循環が生まれます。

例えば歩行時のコア筋の安定性、その他の筋の運動性と下肢との調整された運動性など。


 日頃からの十分なストレッチと個々の筋力トレーニングが重要ですが、筋バランスの調整やコーディネーション(協調性)トレーニングを行い、正しい運動パターンや競技フォームに繋がる滑らかな動きの確保が、円滑な日常動作や、身体機能を極限に迄発揮させるスポーツパフォーマンスに重要になります。 

KOKEN



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