トレーニングの基本原則「運動の特異性の原理」

目的としたトレーニング効果を得る為には運動の特異性の原則を考慮したエクササイズを選択しなければなりません。 

運動の特異性の原理とは『ある特定の条件でトレーニングを行なった場合には、その条件に対応した特異的な効果のみが得られるというトレーニングの基本原則』で、目的が異なればそのトレーニング法も大きく変わります。 (NSCA・パーソナルトレーニングの基礎知識より)


 例えば人間の二足歩行はとても複雑で協調された動きで、地面からの力(クローズドキネティック)を両足、体幹(臀筋、広背筋)そして最終的に両腕に通して腕の振りを起こし、バランスをとりながら効率的な体重移動を実現しています。 

つまり一般的なウエイトトレーニングでよく行われるレッグカール(単関節運動)の様なマシーンの上にうつ伏せになり足を宙に浮かせて(オープンキネティック)膝を曲げるハムストリングスのトレーニングは、実際のスポーツ中の動作や歩行動作の条件からは掛け離れており、筋肥大や筋力、靭帯の強化には役立っても実際の歩行動作やスポーツの中の動作では使えない、機能性の低いエクササイズ(ノンファンクショナル)となります。  


実際の歩行、又は走行では、ハムストリングスは大臀筋と共に強力な股関節伸展筋(地面を後方に蹴る)、または膝が伸びすぎない様にブレーキ(肉離れを防ぐ)として働いているので、そのパフォーマンスを向上させたい場合は、仰向けで両足(又は片足)で地面を押して臀部を持ち上げるヒップリフトや、ワンレッグストレートデッドリフトの様なハムストリングスを股関節伸展筋として鍛えるエクササイズが必要とされます(ファンクショナルトレーニング)。

  • ワンレッグストレートデッドリフト:片足のクローズドキネティックで、歩行、走行動作と類似性が高く、バランス力と膝の制御能力を高めながら、機能的にハムストリングと臀筋を股関節伸展筋として鍛えられる。片手に持ったダンベル(ケトルベル)は支持足の小指側に向かって下げる。

 

 しかし機能性の高いトレーニングだけに夢中になるのではなく、一般的なウエイトトレーニングで筋力を適当なレベルにまで高め、その筋力をどこまで利用できる様にするかがより大切な事です。 

トレーナーKOKEN 

身体機能を覚醒させろ

理想的な姿勢に整え、身体機能を高めていくエクササイズをご紹介しています。 KOKEN

0コメント

  • 1000 / 1000